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​物作りの日々。と言葉

塗りひご1100本



今年の作品はヒゴの数が多め、、、



大体毎年800本内にはおさまっていたのだけど、今回ちょっと大きいのね。



そういうものが作りたいのだからまあそれはしょうがないのだけど、今年は本展の締切も大分早まっているので戦々恐々…。





まずはヒゴを一本ずつ塗ります。






そして板に両面テープを貼り、塗ったものはそこに置いていきます。








そして、乾いたら一本ずつ裏のバリを切出しで削りとり、








中心が盛り上がるように表を山型に水研ぎをする。







3回塗るならこれを3セット、、、






塗る前はやはり嫌すぎて若干情緒不安定になります。笑



素手で六、七時間ぶっ通しで塗るので漆で指もふやけてぐちゃぐちゃになる。



さすがにその日は携帯も電源落とすよね。







私はほとんど漆にかぶれない方ですが、塗る前にはワセリンを顔と腕には塗っておきます。



ちなみに漆かぶれにはアンテベートを処方されるようです。






最初の頃はあまりに膨大な量の単純作業に途方にくれ、音楽聴いたりYouTubeみたりしながらやっていたのですが、結局無音が一番楽な事に気がつきました。







またこういう裏側はお見せしなくてもいいのかなとも思っていたのですが、籃胎と蒟醤の仕事量を周りにイマイチ理解されていない事をここ立て続けに知ったのでした。




私自身は長い事香川にいたので彫漆や蒟醤のエグさも当たり前に見てきましたが、技法工程を公開していかないと自分の身が危うい事に気がつきはじめました。






「ちょっと彫ってよ」が私にとっては一番辛い言葉であり、その「ちょっと彫る」ためにどれだけ膨大な下拵えがいるのか。


「ちょっと命削ってよ」に聞こえてしまうし、そしてそれに応えていたら要求がエスカレートしていくんだろうな…という恐怖があります。






まあ相手は知らないで悪気なく言っているのだろうし(多分)、いままでの香川漆芸の周知不足もあるだろうけど…わかってくれているだろうはどうやら甘かったらしいです。




理解者に囲まれて仕事をした方が絶対にいい、、、。


ですので、私は私なりにやるべき事を。






作品を作りながら公開できる範囲で、何回も同じような裏側の話を根気強く世に見せて行かなければならないのだと改めて思うわけでありました。




いいとこしか見せないではなく、自分がやりやすく仕事をするためにはなりふり構えなくなってきたのかもしれません…。






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